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Panasonicは10年後も存在しているか(2/2)

CNS社の試みは「モノ作り」を「ソリューションビジネス」へと転換するものです。
イノベーションが異なるものの組み合わせで起こるように、企業の変革には異なる人が必要です。動く人材の方が成功(仕事内容も報酬も地位も)する仕組みを作ることが、実は自己変革の近道です。
日経ビジネス 2019年10月15日:パナソニックCNS樋口社長が語る「大企業病」の処方箋

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同じ生態系にいては見えない
「現場プロセスオートメーションは、現在の組織能力を踏まえて作ったビジョンです」
CNS 社の樋口社長(30年前に松下電器を退職した後、コンサル会社を経て、日本HP、ダイエー、日本マイクロソフトの社長を歴任)の回答です。2019年1月の米国小売業協会の年次イベントで「PanasonicはB to Bビジネスへ戦略的にシフトする。その責任者として、私が”現場プロセスオートメーション”を推進する」とピシッと樋口社長が英語で宣言しているビデオを見て覚悟を感じ、日経BP主催イベントで質問しました。
樋口社長が着任以来取り組んだことは「正しいカルチャー、正しいマインドを根付かせる」ことです。それは「お客様に向いて仕事をする」ことであり、それ以外の社内向けの仕事をムダと認識し排除することを指します。率先垂範で進めた結果、社員は別会社のようになったと言います。「ゴミは、ゴミ屋敷に住んでいるものには見えない」、外部を知っている人間だから出来たと言うのが樋口社長の指摘です。

辞めた人が成功すると企業が変わる
企業の方向性を決めるのは社長です。本来、社長だけが何の忖度もなく意思決定をすることができます。外部から人を招く方法がひとつですが、社内の抵抗に呑み込まれるケースも散見します。樋口社長のような出戻り(社内も社外も分かった上で決められる)が新しい可能性です。アラムナイ(卒業者)を組織化する動きが活発になってきたのは決して人手不足が理由ではなく、その経験が認められたからだと考えます。
ふたつめは、会社を出て起業や転職をした人がどんどん成功するように支援する仕組みを作ることです。有意の人が「制約に我慢して残るよりも、外で活躍する方が評価も報酬も高くなる」ことが当たり前になれば、既存の企業内の仕組みは持ちこたえられません。
これは、優秀な人材を外から採用して自社を強くするための施策ですが、それが進むと各企業とも「自社の優秀な人材が流出しないようにする」「外から来た優秀な人材が定着するようにする」ために、自己変革を迫られるからです。

「わかっちゃいるけど、変われない上司」、「上が変わらない状況下で、自分に何ができるか」を悩んでいる人が多くいるはずです。その方々を動かすには、動いた人と動いた人を受け入れる組織にベネフィットがある制度設計や施策をまず自社で進めるべきです。「情けは人のためならず」ではありませんが、動く人を支援すれば自己変革も進むと考えます。
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プロフィール

松下芳生

Author:松下芳生
JPスタイル研究所 代表:
関西企業で社会人キャリアを始めた後、経済学修士を取得。グローバルコンサルティングファーム(デロイト トーマツ執行役員)を経て独立。
「ストラテジーハンドブック」、「ITコンサルティング」「マーケティング戦略ハンドブック」等、共著書多数。

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